「人間の脳に匹敵する複雑さのチップを作る」、PEZY Computing齊藤社長(下)
「AI駆動型科学で人間の限界を超える」、PEZY Computing齊藤社長(上) - 知能を創る
AIエンジンとスパコンを接続するのは容易ではないだろう。今から事前に準備しておく。早ければ2020年には、仮説の立案と検証のサイクルを回して、理論を生成できるのではないか。
そのために2016年8月に立ち上げた新会社が「Infinite Curation」だ。がん患者の遺伝子情報を診断や治療に活用するための会社だが、AIとスパコンの組み合わせを医療分野から社会実装していく役割がある。
猫の脳を1000倍速く動かそうが、100万倍速く動かそうが、人間の脳には匹敵しない。小さい規模のものをどれだけ速く動かしても、規模の大きな知性体にはなり得ないからだ。ハードウエアとして、愚直にコネクトームを作らないといけない。
我々が今「ニューロモルフィック」と言っているものは、モデルをニューロンとシナプスだけに限定している。しかし、脳にはグリア細胞(神経系を構成する、神経細胞以外の細胞)も多数存在する。これがシナプスの接続を変えたり、神経の再生に寄与したりしている。
今の脳型プロセッサは、ニューロンとシナプスに限定した理解しか反映していない。グリア細胞の役割を置き去りにしたまま、進んできてしまっている。
脳にはソフトウエアという概念がないので、ハードウエアにアルゴリズムを実装しなければならない。人間は、実装するアルゴリズムの糸口さえ、まだつかんでいない。そこは人間のスケールを超えたものを活用しないと難しいのではないか。AIエンジンと次世代スパコンのサイクルを回す際に、まず脳機能を解明しないといけないと考える。
AIを使って自動運転で事故を減らす、医療を発展させる、といった考え方もあるが、私は社会の構造自体を変えていきたいと考えている。今の社会は格差が深刻で、世界中で10億人が飢えに苦しんでいる。
参考
内容紹介
人工知能の能力が人類を超え、私たちの生活を一変させるという、まるでSFのような予測が現実味を帯びつつある。誰がそれを成し遂げ、世界の覇権を握るのか? 現時点のトップランナーはグーグルなどの欧米勢。しかし、日本には大逆転の隠し球がある! それは、2015年6月、世界的なスーパーコンピュータ省エネコンテスト「グリーン500」で1~3位を独占した気鋭の開発者、齊藤元章氏が手がけるNSPUだ。
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